〜あらすじ〜 第二章 異端の烙印 <異端の烙印> 騎士団の陣屋から重傷を負って開拓地に帰ったイザーク。 また、ファイベルとはぐれ、開拓地に連れ戻されたレベッカとシメオン。 レベッカは倒れているイザークを助けます。 レベッカとシメオンはイザークの背中に焼印の跡があるのを発見します。 それは神に背いた死刑囚に押される罪の焼印でした。 その焼印はイザークが竜と話ができるという理由だけで、 聖職者たちが押した「異端の烙印」だという事を レベッカは彼の口から耳にします。 <作られた英雄> ファイベル達は王都(カルヴァード国の首都)に辿り着きます。 そこでは「竜殺しのセブルスは竜の大群を退治した」という ニュースが流れ、街中お祭り騒ぎ。 しかし、本当は竜の力に叶わず、部隊を撤退させたセブルスは 嘘の情報を流した国王と宰相に抗議します。 しかし、抗議するセブルスに宰相は 「竜の大群が攻めて来るとわかれば国民は国を捨てて逃げてしまう。 そうすれば国は無くなってしまう。だから本当の事は言えない」 とセブルスを説得します。 セブルスは竜退治の英雄として将軍に出世し、英雄に祭り上げられます。 <人間の不思議> セブルスの屋敷に居候することになったファイベル達。 見るもの触れるもの初めてだらけの町でクロエは迷子になっていしまいます。 ファイベルはセブルスの弟テオとクロエを探しに行きます。 クロエは町で人買の人身売買を目撃してしまい、人買に追いかけられてしまいます。 そのクロエを助けたのはあの泥棒ザジでした。 ザジはクロエに人間の社会について様々なことを教えます。 お金、人身売買、どれも不思議でおかしな事だらけ。クロエは傷つき悩みます。 やがて、クロエを迎えに来たファイベルとテオ。 どうやらテオもザジにいろんな悪いことや世の中の事を教わった間柄のようです。 ザジは兄、セブルスと比較される事に悩んでいるテオにそっと告げます。 「人生変える覚悟ができたらここへ来な、ただし一人でな」 <戦火の恋> 砦の攻撃を命令されたイザーク。砦を守る騎士たちと激戦を戦っていました。 多くの敵の命を奪い、仲間も失い、敵を殺した血と脂に塗れてコーツ開拓地に帰るイザーク。 死んだ仲間の代わりが次々用意される殺伐とした戦いの日々。 そんな中でもイザークの心にはレベッカの顔が消えず、 敵同士とわかっていてもまたレベッカに会いに彼女の家へイザークは向かいます。 見捨てられた土地の向こうへレベッカを連れて竜で飛んでいくイザーク。 そこでイザークはレベッカに様々な心の内を語ります。 竜と話せる自分は人間ではない。 その言葉にレベッカは一面の花畑を指差し言います。 「これをきれいだと思ったでしょう?それはあなたが私と同じ人間だからよ」 レベッカの不意に発した言葉に頑なだったイザークは涙し、レベッカを抱きしめます。 「この戦いが終わったら君のところに帰ってきても?」 それは嘘偽りの無い告白の言葉でした。
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